純白の香り
[ 2 ]   あの日から一月後の手紙
『 アシェル=ラングリースさま


 突然のお手紙と献花、驚かれることと思います。
 さらに名も明かさぬ無礼も合わせて、どうかご容赦ください。
 ただ一つ申しあげられますことは、私は、あのカダルク=ドゥーレンに、
 亡くなられた妹さまと同じ目に遭わされた者だということです。
 このたびのことを聞き及び、
 いてもたってもいられなくなり参りました。

 妹さまの、そしてあなたさまのご無念、
 僭越ながらお察しいたします。あの男には、
 天よりの罰が下されたようですが、
 ご無念は、決して晴らされるものではないでしょう。

 何もできることのない私ではありますが、
 せめて、この花を献じたいと思います。
 よろしければ、このまま捧げさせてください。
 おふたりのお心に、どうか平穏が訪れますように。
 』