純白の香り
[ 4 ]   あの日から二年後の手紙
『 アシェル=ラングリースさま


 突然の無礼をお許しくださり、
 また、身に余るお言葉の数々を、ありがとうございます。
 お言葉に甘えさせていただきまして、
 今年も妹さまに花を捧げたく思います。

 けれど、アシェルさま、
 あなたがそのお心に巣くう闇に
 囚われてしまわれることはありません。
 その想いは、果たされてしかるべきものだと思いますし、
 あなたにお会いできなくなることとなれば、
 妹さまもきっと悲しまれることでしょう。

 どうかそのお心の闇が晴れますように、
 そして凍てついてしまわれることのないように、
 僭越ながら祈っています。
 』